常に背後に付き纏う、この影は。











今吉探偵と伊月助手と花宮助手とクトゥルフ神話。C












「さて、どっから探索しよかいな。」
「そういえば時刻はどうなった、KP。」
「そっすね。二日目の夕方。時刻は様々なロールや決定の後、18時頃にしときましょうか。」
「ふむ。」
「で、さっきファンブルっちゃった雨宮さん、ダウンです。」
「きっさまああああああああああああ!!!」
「まあ、朝から海で遊んで死体見つけて現場捜査して、ならCON5はダウンしておかし無いわな。」
「なんで吉本はそんな助手雇ってんだよ・・・。」
「じゃあ、どうする?このまま夜明かしの方向?」
「やろな。展開から察するに水野の船の無線も使えへんとか壊れてるっちゅーとこやろ。」
「『客人を危険に晒すわけにはいかないのだよ。』という島民の言葉もあるのだよ。」
「ほな、二日目の夜はこのまま終えるわ。三日目の朝に飛ばせ。」
「もーまじ勘弁してこのプレイヤー・・・。はい、夜が明けました、っと。遠くから何かの鳴き声、鶏なんかも鳴いてます、っと。島民からは『島の南側を探してくれ。』と頼まれました。」
「えー?森のほう行きたいんやけど。」
「ハマ婆と松坂母娘以外全員が捜索には参加。」
「ワシらも睨まれとるな。幸運辺りでロールしよか。」
「・・・理由を。」
「島民の数は10そこら。畦道やら物陰をこそっと移動するなら気付かれん可能性はある。」
「解りましたよ。ロールどぞ。」
「31で吉本成功。」
「65・・・あっぶな。月人失敗です。」
「45か。雨宮失敗だ。」
「一番SIZでかい吉本が気付かれないって・・・。」
「企業秘密や☆」
イラッ☆
「全員で違う方面捜索で?」
「全員こぶしはあるし、まあ、なんとなかるやろ。ほな吉本は森方面の捜索するわ。」
「んー、じゃあ月人は大佐原敏造の家へ。本が気になります。」
「雨宮は念のためにもう一度港。つか船だな。」
「了解しました。探索開始時間は?」
「夏場だろ?4時には明るいはずだ。」
「随分早いっすね。」
「ん?基本でしょ?」
「探偵と探偵助手設定、持って来ないほうがよかったみたいっすね・・・。それぞれ徒歩30分てとこで。」
「森は?」
「場合によっては一日中歩き回ることになるんじゃないですか?あ、っとそういえば来たときに休憩に使かったのはこの四つ辻の小屋?」
とつと伊月が地図上に指を走らせる。
「です。」
「じゃあ、月人はそこも気になるっと。さて、大佐原宅は何が出るかな。」
「ほなそこからやな。」
「『じゃ、おはようございます、横井さんが大佐原さんに本を借りっぱなしだったみたいで返しに来ました。』でいいかな。田舎の朝は早いしね。」
「じゃ、信用ロールで。」
「30分取られる?」
「せめて取らせてください。」
「りょーかい。65で成功。」
「くっそおおあんたもかああ!!!」
「情報寄越して、KP。」
「はいはいはいはい!!大佐原敏造の家は、松坂理恵子の家と同様に古い琉球建築の面影を残す家です。部屋数は松坂理恵子の家よりも少なく、だいぶ古びた感じがします。特に屋根の老朽化は激しく、部屋の中には雨漏りする場所まであります。現在、喜多島にある人の住んでいる家の中では、大佐原敏造の家が一番古いものです。建物自体はさほど大きくありませんが、敷地は広く、いろいろと興味深いモノがあります。」
「物置見とき。」
「あ、はい。」
「いまよっさんそれルール違反!!」
「今は月人のロール中なので。」
「なんやー。ほな暫くはお口チャックか。」
「後で情報共有はするでしょ?シナリオに口出ししないなら推理しながらでもいい?」
そこは問題ありません、でも度が過ぎれば、と緑間は頷いた。
「じゃあ、物置見る。」
「はい。農具や大工道具、工具、ガソリン、ロープなど、壊れたり腐ったりしないものであれば、基本的に物を捨てるようなことはないため、百年近く集められた様々な道具やがらくたが揃っています。ただ、整理されることなく雑多に納められているため、必要なものを探すのは非常に面倒です。この物置小屋の脇には、この趣ある家の雰囲気には似合わないプレハブ小屋が建っています。」
「ん。一応道具確認。ガソリンとか使えそうだな・・・。プレハブは?」
「大佐原の言う事ですと、書庫が雨漏りをするのでこっちに本を移動させたそうでっす。島の図書館にもなってるみたいすね。あんま乗り気じゃないですが中も見せてくれますよ。」
「ん?まあ突然訪問していきなり物置から書庫から漁られたら俺も良い顔はしないね。詳しくは?」
「図書館ロールで。」
「えー。月人図書館初期値の25なんだけど。」
「一回成功してますからポイントは一つ上がってますよ?」
「ん、15ってことは成功か。」
「はい、図書館説明です。大佐原敏造の敷地にあるプレハブには三千冊程度の本がぎっしりと収められています。これらの本は、もともと母屋に置かれていたものですが、屋根の老朽化が激しくなり、貴重な本を雨で濡らしてしまわぬように、このプレハブを新築して移したのです。」
「うん、さっき聞いた。」
「蔵書の内容は、百科事典、歴史、心理学、哲学、農学、古典文学などで、最近の小説などはほとんどありません。これらの本は島民が長い年月をかけて、人間の歴史や心理を学ぶ目的のため収集されたものです。そのため、本のジャンルはやや偏ったものとなっています。ほとんどが40年から70年ぐらい昔の本です。哲学や歴史から、人間の本質を見いだそうと考えている人ではないかと推測でき、その目的に集めたとするならば、蔵書の充実ぶりには感心させられるものがあります。」
「娯楽系は無いの?」
「あってもどれもが堅苦しく、文学作品ですら人間の心の葛藤を描いたような、肩の凝る内容の本ばかりです。」
「んー、追加情報ある?」
「図書館か目星割る事の5でどうぞ。」
「61。失敗。目星そこまで割ったら一桁だから無理だ。」
「あら残念。」
「白江の持ってそうな本はない?民俗学系じゃないかな?」
「またメタきた・・・。じゃあ、アイデアでそれ系のタイトルあるかどうか探してもいいっすよ。」
「アイデアでいいんだ?」
「え。」
「22で成功。」
に、っと強気に笑った伊月に、あああああ、と高尾が失敗を嘆いた。そうだ月人アイデア無駄に高かった、と。
「じゃあ、民俗学っぽい本発見です・・・。」
「「「イエー!」」」
「奥付を調べてみると、20年ぐらい前に出版された本であることがわかります。」
「どれでロールしたらいい?」
「知識か人類学か歴史です。」
「んー、16。知識成功。ラッキー。」
「女神とシナリオに愛され過ぎやしませんかね月人・・・。東京の大学の教授が書いたもので、その教授の授業の教科書として利用されているぐらいで、一般書店にはほとんど流通していないものであることがわかりました。また、本には東京の書店名が書かれた栞が挟まっています。この栞は横井治が死ぬ間際に指し示した本に挟まっていた栞と同じものです。」
「やった来た!!やっぱ白江の持ち物を大佐原が自分の物にした可能性が高い!」
「っすね。この本は白江剛が持ち歩いていたものを、大佐原敏造が蔵書に組み込んだものです。」
「もっと漁っていい?」
「何イキイキしてんすか!?これらの本を本棚から抜き出すと、奥に小さな手帳が挟まっていることに月人は気づきますー。」
「カケルさんと雨宮さんと合流してから読む。大佐原宅の敷地には他に何がある?」
「了解でっす。敷地内を少し歩けば、家から一分程度歩いた防風林の奥に、ひっそりと隠れるように大きな井戸を見つけだせます。石を組んで作られた古い井戸ですが、上にはコンクリートの蓋が乗せられ、さらにそれを漆喰で固めてあります。漆喰は井戸に比べれば、最近に作られたものすね。」
「ふむ。『どうして井戸に蓋があるんですか?』で。」
「『涸れ井戸なので誰かが落ちないように塞いであるのだよ。』。」
「はい、了解。じゃ、次は雨宮さんのロールで。」
「はいはい。島唯一の港ですねー。ここには水野国彦の持ち船である古い小型漁船があります。」
「知ってる。」
「ひとりでも操縦することが出来ますし、熟練した船乗りである水野国彦ならば、この船で枕崎の港まで渡ることも可能っす。船舶操縦は誰もとってないっすね?」
「運転は初期で20あるからまあええかと。あと、シナリオ上要らんゆうたんはお前やKP。」
「だって簡単に島から出られちゃったら面白くないしー。船には無線機がついていますが、昔に故障してしまっています。修理してみようとしても、中の基盤が完全に腐食してしまっているので、交換用部品がなければ手の出しようがありません。船の操舵輪には頑丈な鎖と南京錠が取り付けてあります。」
「まじか。鍵開けとっときゃよかったな。」
「船に関しては結構用心してますねー。救命用のゴムボートに、救命胴衣や発煙筒などの救命器具が揃っています。こんなもんすね。」
「これ以上の情報はなさそうだな・・・。そういえばハマ婆はどうした?つか月人のロールは何時間経った?」
「あ、そっか。4回ロールしてるんで2時間ってとこすね。」
「俺、ロールまったくしてねぇ。水野の家が近いな、行っていいか。」
「あー、了解っす。港のすぐ近くに、水野国彦の小屋があります。そこでいっすね?古い沖縄建築の面影を残す、松坂理恵子の趣深い家とは対称的に、彼の小屋は素人が手を抜いて建てた掘っ建て小屋といった感じです。錆びたトタン板や、古い板を無秩序に組み合わせて、なんとか雨風をしのげる空間を造りだした程度の小屋です。中は粗末な板張りに、煎餅布団が敷いてあるだけで、家具らしいものはほとんどありません。台風シーズンのたびに暴風で吹き飛ばされてしまうので、大切な物はすべて船の中に置いてあるんすね。ほんじゃ、目星ロールどぞ。」
「14で成功だ。」
「はい。雨宮はビニールにつつまれた本が置かれてあるのに気づきます。」
「ビニールは海風から本を守るためか?中は見れるだろ?」
「どーぞ。幕末期の薩摩の歴史書でした。九州の大学教授が書いた、かなり堅い内容の本で、あまり一般向けの本ではありません。」
「・・・『この本はどうした?』」
「『大佐原敏造から借りたものなのだよ。』。」
「小屋に井戸はなく、部屋の隅に大型のポリタンクが置いてあって、そこに飲料水を溜めてます。身体や食器を洗う水は、目の前にいくらでもある海水を使ってるみたいっすね。」
「結局ロール一回か・・・。ハマ婆の家は島の反対側で移動にも時間が要るな・・・。」
「あんま動き回ってまたぶっ倒れてもかなんよ?」
「うっせぇ。じゃ、俺は一足先に四つ辻の小屋に行くわ。吉本のロールだ。」
「ほいほい。ほなKP、頼むわ。」
「嫌ですと即答したいですが、まあよろしくでっす★北にある森ですね。周囲8km程度の、さほど広い森ではありませんが、百年以上にわたって人があまり立ち入らなかったため、昼間でも薄暗い不気味な雰囲気のする森です。今でも島民たちの重要な燃料源である薪を提供してくれている森です。地面には木の根が無秩序に張り巡らされ、腐った落ち葉は非常に滑りやすく、うっそうと生い茂る木々は方向感覚を狂わせます。」
「さて、どれでロールしよか。そんだけ把握した、ゆう事は小一時間はうろ付いたな。」
「もうこのひとまじ嫌だ。目星でロールして下さい。」
「ん。12や。惜しいな。」
「普通にとってんじゃねぇっすよ初期値でしょーが!!はい、小屋発見です!吉本は長年に渡って踏み分けた道を見つけることが出来ました。この道を辿って、小屋を発見することが出来ましたー。古い木材とすっかり錆びてボロボロのトタン板、どこかで拾ってきたらしいビニールシートなどで建てられた、まさしく掘っ建て小屋です。」
「中は?」
「ボロ布の切れ端や、一升瓶、口の欠けた湯飲み、海を流されてきたものらしい瓶や入れ物などが、木の枝で組み立てられた棚に後生大事に並べられています。これらの家財道具が、唯一の財産って風体ですね。また、小屋にはガソリンの入ったポリタンクの容器がふたつあります。」
「ストーブやらがあるとは聞いてへんな。何のためのガソリンや。聞く限りは無人やな。小一時間歩き回ってロール一回。吉本も四つ辻の小屋へ行く。」
「はい、じゃぁ一足先に雨宮到着、他の2人も、って感じで合流でっす☆」
「『おっせぇよバァカ。』。」
「『そういう雨宮さんはもうすこし体力付けましょうね。白江の物らしき手帳を発見しましたよ。』。」
「『ワシも出来損ないとやらの小屋を見つけたわ。』。」
「まず手帳のチェックですね。KP、情報。」
「手帳には小さな文字で、いろいろと書き込まれてありますね。その内容は前半のスケジュール帳の部分には、大学の授業の日程や、旅行の出費記録、旅先で書いた数行だけの日記などです。日付などは18年前になっています。」
「やっぱり白江の手帳だ!!」
「手帳の後半部分の無地の部分には、俳句と民俗学に関する考察が記されており、手帳の栞代わりのヒモが、その俳句の書かれてあるページに挟まっています。」
「芭蕉の本が横井のダイイングメッセージでしたね。」
「俳句の内容は以下の通りです。
『辻に立ち かわずの声で 道を決め』
こんだけ。あとは民俗学の考察なんかも書いてあります。」
「辻・・・ってもしかしてさぁ。」
「蛙の置物・・・あったんじゃね?」
「先に考察内容も聞くか。」
「皆さんの記憶力に脱帽なうです。俺そろそろ自分がどこまで喋ったのか記憶曖昧です。そんじゃ、手帳の中身行きますよー。
・島の歴史は300年ほど前の文献にて紹介されたのが最初である。
・約100年前から、ほとんど九州とは交流をすること無く、島独自の生活を続けていたらしい。島民の数も、300年前の記録では40人程度とされているが、その後、150年前ぐらいからは極端に島民が少なくなっている。
・この時期には、島も複数の名前で呼ばれていた。狐火島、青木島、大木島などである。
・本土と疎遠であったため、昔の文化を色濃く残す貴重な島である。
・しかし、島にまつわる独特の伝承などが島民からは得られなかった。得られた話は、鹿児島や琉球に伝わる良く知られたものばかりであった。
・島民の方言は、この地方の古いものであるため期待していたが、期待はずれであった。
・乱暴な推測であるが、一度、この島の島民に大規模な移動があったのではないだろうか。その理由としては、津波や大地震などによって、島民の大部分が犠牲となり、新しい住民が移民したなどが考えられる。
・ただし、いまのところ、それを裏付けるような災害の記録は無い。島民が激減したことは間違いないようだが、その理由について記された文献が無いのだ。
ってなとこですよ。」
「来たな、クトゥルフとしては150年前がキーや。」
「もう少し調べるなら大佐原のプレハブだな。行くぞ。」
「うわー来ちゃったー。大佐原は留守でした。不法侵入どうぞ。」
「不法侵入言うな。」
「月人はロール不要です。行きますか。」
「うん、何が発見できる?」
「本棚の一番下の隅には黄ばんだ古い新聞が挟まっています。その新聞は72年も前の鹿児島県の地方新聞でした。読みつくすにはそうだな・・・母国語ロールで。一時間かかりますけど。」
「構わん。吉本か雨宮でロール。」
「22で雨宮成功。」
「ほんなら雨宮はそれ読んで。どうせ共有するやろ?」
「だな。」
「新聞の内容は古いこと以外には、とりたてて珍しいことはありませんが、雨宮さんのロール成功で、枕崎近辺の事件や行方不明事件を探すことに成功です。18年前の白江の事件とよく似た記事が載っています。記事は小さなもので、行方不明になったのは「高山イチ」という若い女中(当時16歳)で、最後に彼女の姿が見かけられたのが枕崎の港であるという程度しか書かれていませんけどね。手の空いてる月人さんか吉本さん、アイデアロール。」
「うん?31。月人成功。」
「月人はわずかな地震が発生したことに気づきます。ほんの少しの揺れですが。地質学とってるひと無いですね・・・。聞き耳どぞ。」
「25で月人成功。」
「どこか敷地の奥から『ブゥーブゥー』という奇妙な音が聞こえます。それは、下手な奏者がトランペットに力任せに息を吹き込んでいるような音です。」
「あー、来よったな・・・。」
「その音の正体を探します?」
「そうだな。『変な音しませんでした?』で。」
「吉本は振ってへんからな。『そうか?どこやろ?』て月ちゃんと一緒に行くわ。雨宮はまだかかるやろ?」
「っすね。敷地を歩くと、涸れ井戸を発見します。このあたりから音が聞こえてきたようなのですが、この時点では音の正体はわかりません。これで大佐原宅での探索は終了。ロールと新聞の確認で更に2時間。まだ朝の8時じゃないっすか・・・。」
「次は四つ辻小屋の蛙の置物ですね。」
「やな。大佐原の井戸も気になるけど、まずはこっちの小屋や。詳細寄越せ。」
「はいなー。南北に走る島の道が交差する場所、まあさっきゆってた地図のこれっすよ。島の中心地というわけではなく、あたりは見渡す限りの草地と畑です。辻のわきには、人が住まなくなって十年以上は過ぎていると思える廃屋があって、それが皆さんが気にしてる小屋です。中は暗く、屋根に出来た隙間から漏れる日差しだけが、家の中をわずかに照らしています。夏の日差しをしのぐにはちょうど良い場所っす。ね?最初来たときに休憩に使いましたし。」
「ロールはどれで?」
「目星どぞ。」
「ん、21で吉本成功。」
「やっと役に立ったな探偵。」
「うるさいでー。情報共有は済ましたでかまんな?」
「はい、吉本さんは自分たちの足跡以外に比較的新しい足跡を三種類発見します。まず、成人男性程度の大きさの足跡で、普通のサンダル等の足跡と杖をついたあと。そして、成人男性のものらしい裸足のあと。最後に明らかにサイズの小さい子供のものらしい足跡です。」
「愛香か。杖の足跡は片方だけやろ。」
「もーほんとまじサトリ嫌い。」
「愛香に話を聞くことは出来るのだよ。」
「通りがかりか?」
「『うん、月人お兄ちゃんを探していたのだよ。』。」
「うわあああ!!!」
「いいじゃあないっすか可愛い女の子ですよー?」
「いやだって怖いってゆってんじゃんかばかああああああ!!!!」
「『ここにはよく来るのか?』。」
「『お父さんとよく散歩をする際は休憩によく利用していたのだよ。』。」
「どっちの休憩だかな。」
「花宮さん下品。」
「雨宮は直接目撃してんだよバァカ!」
「愛香のいる前で捜査とか出来なくない?」
「月ちゃん懐かれとるし、相手したり。」
「泣いていっすか。『愛香ちゃん、他のひとたちはどうしてる?』で会話成立する?」
「ハマ婆と松坂母娘以外は横井殺害の犯人を捜索中なので。」
「成程。じゃあ俺はちょっと外で子供と遊んでますんで、『カケルさん、雨宮さん、お気をつけて。』と耳打ちして小屋から出ます。」
「はいはい。じゃぁ、土間をあがってすぐの板間に、瀬戸物の蛙がひっくり返った状態で置かれてるのを二人は発見でっす。」
「調べる。ロールは?」
「まだいんねっす。その蛙を調べてみると、板間にはホコリが厚く積もっているというのに、この蛙とその周囲だけはあまりホコリがついていません。」
「弄った奴は出来損ない、もとい、白江やな。手帳にあった俳句が合図やったか、横井とこれで連絡取りよった。ちゃうか?」
もうやだこのプレイヤー、と高尾は聊かガチで頭を抱えた。
「・・・さて、どうするか。これが合図だったとして、どうすればどうなるか、が解らない・・・。」
「転がってるんやな?正しい位置に戻す。」
「理由をお聞きしても?」
「どっちにしても白江はこれの確認に来るやろ。置物が転がっとったら直したなるんは人情やし、何やったらここで張り込む手もある。」
「けどきっと来るなら夜だぞ。行動パターンで考えれば。雨宮はさっき読んだ新聞から、ハマ婆が気になってる。」
「じゃあ、次はハマ婆の家っすか。愛香が月人に着いて来たそうですけど。」
「やっぱりか!!愛香まじこわい!!月人ひょっとして次の横井候補なんじゃないの!?」
「そう邪険にしないで下さいってー。」
伊月の反応にけらけらと笑う事で高尾は少しだけ回復した。
「じゃあ、四人はハマ婆の家に行きますよー。島の北西、海風に曝された高台に、島一番の長老であるハマ婆が暮らす小屋はあります。風に耐えるよう屋根が極端に低く、小屋のまわりには防風林が植えてあり、そのおかげでなんとか台風をしのいでいるようです。高い位置にあるため井戸もなく、海風も強いので、あまり住み心地の良い土地ではありませんねー。小屋も風雨によってだいぶ痛んでいるというのに、ほとんど補修のあともありません。」
「あらま。」
「同じ粗末な小屋でも、機能重視で必要最低限なものだけを押さえている水野国彦の小屋とは正反対、ってところすね。ここの小屋は形あるものが朽ち果て、消えていく過程といった感じです。」
「ええと、時刻は8時からまた捜索と移動で?」
「9時で。」
「解った。詳細引き続き。」
「はいはい。小屋の中も酷いもので、半分は土間、残りは板間。ただ、土間も板間もがらくたがうずたかく積み上げられ、まともな足の踏み場など玄関から入って数歩分しかありません。」
「目星いるかな?」
「したいなら。」
「・・・引っ掛かる言い方だね。じゃあしない。」
「えーwww部屋の中に転がってるがらくたですが、がらくたつっても、ここのがらくたにはすべて共通点があります。それは海から流れ着いた漂流物であるということです。パッと目に付くモノだけでも、様々な形をした流木、漁師の使う網の浮き、ガラスの空き瓶、救命用の浮き輪、発煙筒のついたままの救命胴衣、セルロイドの人形の一部、お菓子の袋、椰子の実、魚の骨、干からびた河豚の死体に始まって海栗の殻、海星、オウムガイ、蛸船、海豚の頭蓋骨なんかもあります。小物の入った箱には磨かれた硝子片、綺麗な貝殻、瓶の王冠、釣りの浮き、ライター、ペンのキャップなど入ってますね。これらが床に積まれるだけでなく、壁にかけられたり、天井から糸で吊されてカラカラと音を立てていたりします。このガラクターズの奥にハマ婆は埋もれるようにして暮らしています。」
「ガラクターズて。」
「『こんにちはー?』で起きとる?」
「年寄りの朝は早いって言うしな。『随分な散らかりようだが・・・。』ってな感じか。」
「『突然すいません、お話させていただいても良いですか?』で。」
「ハマ婆は三人の姿を認めると、『まれびと様』と呼んで歓迎してくれるのだよ。」
「とは言え、この小屋にひとを歓迎できるようなものはまったくありません。振る舞われるものといえば、溜め置きしてある一升瓶に入った水ぐらいなものです。」
「飲むかどうかめっちゃ悩む・・・。」
「同意。」
「『ありがとうございます。』ごめん、飲む勇気ない・・・。」
「イイコちゃんが・・・!!」
「『このがらk「『こちらの海豚の頭蓋骨なんて凄いですね、どうやって手に入れられてんですか。』!」
「月人ェ。」
「伊月ぇ・・・。」
「『広い海から、やっと流れ着いたのだよ。大変だったろうに、ここで休ませてやっているのだよ。私たちと似ているからな。』とハマ婆は答えるのだよ。」
「『どういう意味ですか?』・・・違うな。まれびとは漂流物の総称でもあった・・・。」
「つまり、ハマ婆の正体も『まれびと』や。高山イチのなれの果てやな、この婆さん。」
「あまり明確な答えは返ってこないのだよ。ただ、『みんな同じだ』『海は広いから』『流れ着くんだ』といったことをブツブツと呟くだけなのだよ。」
「雨宮は過去の新聞記事を気にしてる。『高山イチという女性をご存知ですか?』だ。言質が取れればこれはもう島民全員グルの誘拐殺人事件だな。」
「ハマ婆の言動は、突拍子もなく、意味不明なところが多く、まともな話など出来まっせーん。」
「KPてめぇちくしょう!!」
「医学ロールする。」
「はいどぞ。」
「22。成功。」
「月人はハマ婆の奇妙な行動は重度の老人性痴呆症か、それとも精神を病んでいるためと推測。彼女は正常ではないと判断しました。」
「共有。耳打ちする。愛香がいるからね。」
「『なるほど。』。」
「『まあ、そうだよな・・・。』痴呆は島民の周知だし。」
「高山イチに関しても特に反応はありません。」
「『愛香ちゃん、このお婆さんの本当の名前は知ってる?』で。」
「『知らないのだよ。昔からハマ婆と呼ばれているのだよ。』。」
「だよな・・・。」
「『誰が食事の用意をしてあげてるの?』。」
「『村長さんが主にお世話をしているのだよ。』。」
「何らかの理由があってか、ただ単に見殺しにしたくないだけか。まあ、クトゥルフやったら前者やけど。」
ほなこの近所は目ぼしい場所ないし、一旦戻ろか、と今吉が息を吐いて地図を見た。
「うーん、皆さん粗方島は回っちゃった感じすか?」
「そうだね、港から横井の、松坂の家、浜辺、ハマ婆の家に、さっき吉本が探ってきた森。島自体は広くないし、大概回ったと思う。」
「んじゃ、狭い割には隠れる場所は多そうだ、って皆さんは気付きます。」
「それ結構重要じゃね?」
「何かが、隠れてる・・・。井戸とか。」
「いややん。月ちゃんそれフラグーwww」


続く。

***

まだ続くみたいですがどうしたらいいですか。これ面白いんですか凄い心配なんすけど続けていいんすかね!?座談会形式「www」とか出てくる。@→novel/1837640■タグありがとうございます!!続きnovel/1854684出来ました!女の子は肌を隠しているほうが好きですって月ちゃんゆってたwww(1/3

2013年01月02日 20:45初出。

こんな不憫なKP見たことないし、この月ちゃんの女神からの偏愛ぶりよ・・・。

20130118masai