恋愛乱開発。
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教えられた部屋はマップを送信されて、おいでな、と部屋番号だけメールで通知されてきた。 「ばっかじゃないの、俺。」 ビジネスホテルの五階の奥から二番目の部屋の前、ノックのための拳から手袋を外す。背後のひとの気配に振り返ると、ジャンクフードの配達員が帽子を上げて頭を下げた。 「あの、えっと。」 ここで戸惑っていても邪魔になるだけで、メールの文面に間違い無く、また伊月に間違いが無ければ扉をノックすべきなのだ。 コンコン、と実にスタンダードな反響に、はいはい、と気怠そうな声が応えてロックの外れる音がした。 「ああ、よう来た。入って。そっち幾ら?」 伊月に短く、軽食配達員に向かって財布を開く。おおきに、と挨拶を欠かさないのは凄いなぁ、と伊月はその背中を眺めた。今年最後の部活が終わって入念にシャワーを浴びて身体中綺麗にしたのは、客観的に酷く女々しかった。キスもしたことないくせに、と自嘲が零れる。 「ほんまに来てくれたんや。」 「お疲れ様です。」 「ん、君もお疲れさんやんな。」 さり気なく髪を梳く様子は随分と手馴れてあって、おやつでも食おうや、と参考書と筆記用具のあったテーブルにピザが広がった。好きに注文してしもたけど、と今吉は胡散臭く、いつものように笑った。 どうしてここにいるんだろうか、と伊月は自問する。何度も考えて迷って、結局断れずにここに来た。本当にどうしたことか。 「眠れてる?」 「え。」 「なんや、憂いあって色っぽいけど。」 「・・・いや、それってどうです?」 「まあ、突然呼び出したワシもワシやしな。」 椅子に座ろうとしたのは、こっちおいで、とベッドに座らされた。かちこちと秒針の音だけ、酷く響く。 「キス、してええ?」 やっぱりな、と伊月は嘆息した。大抵にしてこういった手合いとの遣り取りは伊月は中学の頃からあった。男を相手にこんな気分になったのは初めてだとか、愛人になれだとか、無言で体を撫で回す輩もあった。ただ、今回に置いて伊月は選択肢が用意されていた全てを甘んじて受ける。念入り体も洗ったし、笑みの形に結ばれている眼が薄っすらと眇められるのに、背筋が伸びる。 「こういうの、初めてちゃうねや?」 「厳密には初めてですよ。俺、童貞ですし。」 ピザ生地に浮く油にくちびるがてろりと妖しく動く。指で拭ってベッドサイドにあったティッシュを取れば、その態勢からベッドに押し倒された。 「今吉さん。」 「綺麗な髪やと思うたけど、肌も綺麗やね。」 部屋に入った際ハンガーに掛かったジャケットを脱げば黒のハイネックにスキニーデニムのシンプルな格好は実に、飾らずとも美しい彼らしい。ぞぞ、と肌に滑り込む指先に臍の周りをくるりと撫で回され、腰が逃げた。 「ど、こまで、します?」 「どこまで、ええ?」 すすと胸元まで辿って、薄い胸板を撫ぜて薄く色付く頂を引っ張る爪に、性感からでなく眉が寄る。 「っい、た。」 「少し我慢したって。」 押し潰し捏ね回し、唾液を落として滑りを良くし、根気良く可愛がれば腫れ上がってぷくりとしこる。 「ん、くすぐったい・・・ですよ・・・。」 口に含まれ吸われれば、もう片方が弄られ顎が持ち上がったのに今吉は低く笑った。 「ん、は。」 ふぅ、と呼吸を深くした頬に赤味が差して、脚の間に足を挟み込ませてやれば、焦れったく熱の上がったそれが盛り上がった。 「ぬがし、ます?」 「ええの?」 「脱がしたければ。要らないなら、勝手に自分で処理、します。」 ん、とあまく呻いて腰の位置を今吉の手元に持って行ってやれば、スキニーデニムも下着もそのまま脱がされ、靴下が間抜けに残った。遠赤外線折り込みのハイネックトレーナーを脱ぎ捨てた白い肌には鎖骨の下に鬱血があった。 「これ、誰?」 「わかんないです。」 「そんなに経験豊富なん?」 「いえ、この間胸元開けたの着てたら、電車で・・・女のひとでした。」 「過激なこともあるなぁ。」 しなやかに、華奢に見えて緻密な筋肉が柔軟に動く白い脚の間に今吉が座り込めば、膝が少し戸惑ったように震えた。 「なんや、見られとったらやりにくてかなんな。横なれる?」 拒否を許さない疑問系の語尾に、勃ちあがったそれを晒す格好に少々震えつつ、柔らかい枕に貌を押し付けるように腰を捩った。くり、と先端を捏ねられ背が粟立つ。悪寒に近いそれに、持って行かれないよう、きつく目を閉じた伊月のそれに、ぬたりと滑りが張り付き熱い吐息に、粘膜に包まれた。 「やだ・・・。」 脳の煮えるような快楽に腰を揺すって、指で作られた輪に扱かれ舐められて達した。男の身体は単純だ。洗ったけれども羞恥には耐えられない。ゆるゆると首を左右に振って、はふりと枕を噛む。 「なあ、処女?」 くち、と音と同時に酷い痛みが来た。脚が引き攣り背が凍る。 「あ、や、いたい、いたいです!」 「嘘やろ。」 ねちねちと浅い場所の動きに喉が引き攣り涙が落ちる。 「やめ、ほ、ほんと、いたいぃ!」 この反応は嘘で無いな、と今吉は口の端を釣り上げ、人差し指の第一関節を完全に飲み込ませた。潤滑に使ったのは伊月が出した薄い精液で、全身で拒否を示す痩躯に容赦無く円を描くように指を進める。 「い、ぃたあっ!やめ、今吉さん、やめて!」 そんなとこ、と悲痛に訴える声は、本当に想定しなかったのだろうか。尖らせた舌で襞を舐めると他より色濃い場所はぎゅっと締まった。 「やだ、やぁだぁっ!そ、そんなとこ、洗って、ない!」 肩越しに振り返る涙に溺れる瞳が必死に訴えて、ああもう、とその背に被さって貌を覗き込む。 「い、いやです、いたい・・・今吉さん、い、いあっ!」 第二関節が入り、伊月の喉は声を紡げなくなった。指一本の圧迫感と不快感と、何よりも痛みで。美貌が落涙と苦痛で歪み、随分と好みになってしまった、と今吉は内心高鳴った鼓動に困惑したが、そもそもはこれを見たかったのだろう、と自問し、頷いた。 「ええこやから、もうちょっと我慢。」 ひく、と喉を引き攣らせ、枕を強く握る手から力を逃がし、背を撫ぜて腰を挙げさせ脚を開かせる。萎えてしまったそれが奇妙に可愛らしかった。 「あっ、ぐ。」 柔くしこったそこに爪が擦ると、苦しそうに呻き、黒髪に描かれる天使の輪が揺れた。顎から落ちた水滴は唾液か汗か、首を伝ったのを今吉は舐める。 「あ!」 指の腹でやんわりと撫でれば、意図していない甘い声が、女のような声が登って、切れ長の目が見開かれて、あり得ない、とばかりにくちびるが音を紡ごうとして失敗した。 「あ、あゃ、いやぁ!」 想定しなかった侵入は、強姦と呼んでも良いだろうに、伊月は自分の体の状態が常でない、それだけが酷く混乱した。 「見つけた。」 なにを、と聞き返す間もない。舐められて指が入って弄られて、酷く感じさせられている。ねち、ぬち、と指が動く度にそこから音がする。普段排泄に使うそんなところ、使うなんて信じられない。自分で触ることすら躊躇われる場所にすんなり痛みとともに入り込んできて、剰えこの男は舐めた。 「い、いや。いやです。」 「まぁ、もうちょい待ちより。」 「ひやぁあ・・・!」 かくんと顎から力が抜けてしまって呂律が回らない。かわええ、と今吉は笑う。胸元に齧りつかれ、ぴんと爪先が意図せず伸びた。 「いやれす、いまよしさ、ぬいて、いや・・・!」 中で指が弄られる度に腰を奇妙な熱が巻いていく。勃起すれば抜けばいいだけのそれが、いつの間にかまた勃ち上がって、中を刺激される度に膨れて行く。 「あ、いたっ、あ。」 「指増やしただけや。おお、すんなりいったで。」 にほんめ、と囁かれて首を振ると、腹の中がぐるりと抉られた。 「ひはっ、は、やっ、やら・・・!」 「ここ、ええやろ。」 「やめてぇ・・・!」 意図せず震える太腿に、ぴちゃりと射精した自分を見下ろし、愕然と伊月は顔色を無くす。腹筋が不規則な痙攣を繰り返して呼吸の邪魔だ。知らずに零れる嗚咽をそのまま、シャツの前を開けてボトムの前も寛げて呼吸を荒くする男と目が合った。腹に着くほど反り返る、それを挿れてしまいたい、男の欲求は酷く素直にその目に劣情に滲む。 「くるし、です・・・。」 「あー、やろね。」 「あっもぉそこ、いじったらやぁ・・・!」 語尾がだらしなく愉悦に歪んだのを、今吉は薄いくちびるを拭って涙のあとを追う。三本目の侵入は少し梃子摺る。 「おねが、も、いれて。いれてくだしゃ、いまよしさんの、おっきぃの、いれてぇ・・・!」 従順な媚態に今吉は目を瞬いた後ほど、いやらしく笑みを深くする。ふっく、と嗚咽の度に中が蠢くのを、突っ込んで掻き回して征服して蹂躙する下劣な望みは、もうすぐ叶うのに。 「あかんなぁ。」 そんなに従順になってしまっては、面白いことは一つだってない。脚先に残った踝丈の靴下を剥ぎ、土踏まずを撫でる。前立腺への刺激で前はとろとろと色の無くなり始めた精を零している。その根元を強く握れば尻尾を踏まれた猫のような声で啼き、後孔を強く絞めた。 「ようさん汚したなぁ。」 「ぅあっ、ごめ、なさいっ・・・!ゆるして、いまよしさん・・・。」 「何、悪さしたん?」 「あぁっ、べ、べっど、汚してっ!」 爪先が丸く握られ、枕を取り上げ仰向けに脚を深くまで曲げさせた胸元を掻き毟るように足掻き、涙と唾液にべたべたと汚した顔を必死で拭い隠す。堰き止めた熱で思考が蕩け、腰が無意識に揺れている。 「ちゃうちゃう。ここホテルやから。」 それを謝るんやったらランドリーやなぁ、と囁いて遣れば、黒曜石色に欲が滲んだ。 「て、・・・いまよしさんの、て、よごして、ごめんなさ、い?」 「よぉ出来ました。」 「あやああ!さわったらいやあああ!もおれなぃ、もれませんん!いやああ!いきたくないぃいっ・ひ、っあ!!」 ぐちぐちゃと素晴らしく卑猥な音と共に子種を吐き出し、顎に滴った粘液を震える指先で、薬指に引っ掛けて舐めた姿は美しく淫蕩で。 「やらしーなぁ。」 はは、と嘲るように今吉は笑ったが、くらくらとはしたなく腰は揺れ、淫らに脚は開かれた。今吉の指に拓かれた孔は前から滴った液体で濡れそぼり、女のような音がする。じゅるりと指の引き抜かれる感触に背を震わせ仰け反った痩躯を今吉は宥め、はあはあと甘く余韻に浸る隙にくぱりと湿った音で吸い付いてきた肉襞にほくそ笑む。これまで我慢してやったのだ。 「い、や、あ、ああああ!」 身体を拓かれた衝撃に涙が散って、悲鳴が上がった。伸び上がった脚に不自然な力が篭って中を強く絞める。 「あやいや、いたいっ、あ、つ、いぃ・・・。」 「ほんまに初めてか、力抜き。」 「ひうう・・・。」 「動けらん、の!」 ぐん、と激しく腰を回され、悲痛に上がった声にならない叫びが喉にひりつく。 「やだ、おおきい、やだ、いたいっ。」 こんな場面でそんな言葉が吐けるのは大した淫乱だ。すっかり萎える前を扱けばひんと喉を鳴らしてゆっくりと不必要な力が抜けて行く。強張っていた脚が今吉の腰を絡んで、はふ、と呼吸が一度落ち着いた。 「痛いな、すまん。」 「あ、う・・・。」 白い肌を摩ってやって、胸を虐めると随分と媚びた声が出た。咄嗟に塞がれた口元の手をほどき、絡めると新しく涙が生まれてきた。 「あ、ん。いまよ、しさ・・・。」 「どない?」 「おなか、どくどくゆって、ます。」 薄い腹筋がひくひくと痙攣して、苦しそうに喘ぐと熱く吐息を零す。絡めた指先を悪戯に握れば弱く握り返された。 「いまよしさん・・・。」 「かわええね、伊月。」 「あ・・・。」 「どないした?」 「な、まえ。」 そう言えばこの部屋に入ってここまで犯したが、名前を呼んでやったのは初めてじゃないのか。思い返せばキスもしていない。 「本気になってええ?」 切れ長の目が見開かれて、どういう、と微かにくちびるが動くが声にならないで、あう、とちいさく喘いだ。 「いあ!?」 ずちゅ、と下肢で水音が激しく動き、内臓が搾られ叩かれる衝撃に伊月は身が跳ねた。いやいやと首を振る様子を固定され、半開きのままのくちびるが、喰われた。熱い舌が入ってきて口いっぱいを舐め回して出て行った。唾液が糸を引いてぱちりと弾ければ、またくちびるにくちびるが覆い被さって、舌に上顎が舐められ背が撓った。顎が上がってシーツに押し付けた髪がぱらりと汗で頬に落ちてきたのを手の甲で払い除け、伊月の薄い舌に歯を立て吸い付き、唾液を啜って、獣の捕食のような恐怖に腰が引ければ刺激に身が振るう。 「いまよしさ、くるし、ん、ふぅ・・・。」 「ん、俊。きもちええ。」 「や、んっ。・・・うごいたら、あん。」 「ええやないの。」 ぎしっ、とスプリングが妙に耳に残る。暫くくちびるを合わせて揺られる腰をそのまま、伊月は蹂躙を許した。しゅん、と甘ったるく呼んでくる声がいけない。しょういちさん、と声に出せずも呼べば、酷く深い、一番に感じる場所を抉られて喉が反り、くちびるが放れたのが恋しかった。 「んは、動いて、ええね?」 「あぁあ!」 ぱちゅっ、と厭らしく肌が鳴る。ぐちゃりくちゃり、精液が混じり合ったのか滑りが良くなり始めて、自然と揺れる腰が捕まえられた。 「あっ、にゃら、はげし、ぃ!」 好き勝手に中で動く硬い熱に酷く感じた。女のようにひっくり返った甘い声が幾つも出たが、理性など既になく、与えられるまま、中に蠢いた射精の震えに伊月は精を吐かずに達した。 はぁはぁと耳元に聞こえる鼻息荒い音と尻を撫でてくる感触は只管気持ちが悪い。髭がかするのも戴けない。 翔一さんは気を遣ってくれるんだなぁ、と場違いに思いながら、電車の揺れに任せて擦り付けられる性器は露出されており、混雑に乗じて足の間にでも擦り付けられるのだろうか。幸いながら次の駅ではこちらの扉は開かないし、その時まで手に擦り付けられる肉の感触を伊月は反吐が出そうな思いをしながら、メールを飛ばす。 「あっ。」 微かに甘い声が出た。殊更興奮したような痴漢に、蹴りを叩き込みたい。 「もぉやぁだぁ・・・。」 己の浅ましさを嘆くように俯き鞄の位置を巧みに持ち替える。腕を取られて片手に擦り着けられるそれから離れるには少々手間がいる。べっとりと手に掛けられたその臭いに周囲は何故気が付かないのか。 幾度目かの停車駅。停車三分前に逃げようとした痴漢へ耳打ち。おいでよ、と。伊月自身もそろそろ解放されたい場所まで登り詰めているのだ。 痴漢から一度解放され、駅舎の多目的トイレに入ると既に待ち伏せされており、周囲は何故気が付かないのかとは当たり前で、どうやら複数犯だったらしい。 「あは。かわいそう。」 妖艶に首を傾げ、後ろ手にトイレの鍵を閉めた振りをしながら、サルエルパンツのゴムに指を引っ掛ける。丈のある上着に足の付け根は隠れたが、そこから垂れ下がったコードに興奮の気配がして、伊月は笑ってしまった。 「翔一さん、責任とってよ。」 直後に機会音に犯され、彼は立っていられなくなる。 「あっ、あん・・・。」 床に崩れ落ちそうになった痩躯を後ろから抱き留め、鞄にリモコンを突っ込みながら、今吉はその首筋を舐めた。 「なんで、たすけて、くんなかった、の?同じ車両だった、のにぃ・・・あっああ!」 「そら、俊が楽しそうに犯されたがる表情がそそるから。」 そこで一頻りいちゃつき見せつけ、今吉は恋人が襲われたと通報し、ぐったりと蹲る青年に深く追求するのも戸惑われた駅員は、あまりに性質の悪い痴漢被害者を見逃してしまった訳である。 「おもちゃじゃ、やぁです。」 「なんで?」 「あつくておっきいのに、ごりごりされたい、ん、ですよ。」 「この淫乱。」 「こうしたのは、あなたでしょ?」 自ら孔を拡げて慣らしの前戯と屋外プレイに用いたローターを引き抜き、あまく吐息を零しながら跨がれば、安いアパートメントの一室に淫らな音と声が満ちる。白い脚が絡みつく様子は、蛇の交尾のように醜悪でしかし美しく艶かしくも、酷く卑猥だ。 〈了〉 |
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初出:2013年12月29日 19:27
処女ビッチ伊月さんもいいかなって。
今年も残り僅かですね。
今年は多様数多のご愛顧いただきまして大変な感謝を申し上げても足りません。
また来年も何卒よろしくお願いします。皆様よいお年をお迎え下さいませ。
・・・年末に何しでかしてんだ。っていう。
20141009masai