| 四月一日 事務所開設。 菊のご紋は可愛いけんど、五芒星はめんどいわ。 勘当上等や。せやけど花宮が着いて来たんはは誤算やった。あいつ公安の肩書捨てとらんやろ。 まあええ。 看板出しただけで、本日業務終了。 今吉探偵の愛すべき平穏。 五月二十日 猫探しの依頼が来た。 五月三十日 猫探しの子が礼に来た。 六月一日 ねむい。 七月七日 世話んなっとる医者の坊が、なんや変な小僧連れてきた。 まあ、ホールのセーキに免じて許す。 自分の将来なんぞ自分で考え。ここは人生相談所ちゃうわ。 七月二二日 飽きるん早いわ。 八月二日 飯奢らされた。あいつら理不尽。 八月三日 青峰が仕事持ってきよった。 んなもん警察でやれやーゆうたら珍しく頭下げられた。 八月五日 警察あかんわ。 十月二日 猫探しの子が来た。 雨やったらか傘貸したった。 変な子やった。制服からして誠凛大学か。薬臭いから薬学か医学か? 十月五日 強姦殺人逮捕。 十月十日 傘返しに来た。 十月十一日 猫探しの基本は、その猫の行動範囲や。 基本的に動物は死に姿を、人を含めて外敵に晒さん。軒下やら物陰に静かに倒れとる。 教えて下さらなかったら墓も作ってやれませんでした、とのこと。ちゃんと礼言われたん初めてかもしれん。 手土産の菓子折りはコーヒーゼリーやった。銀座の名店やん。 十一月十三日 失せ物の探し方。 とにかく歩け。 一月一日 あけましておめでとさん。さっきまで大掃除やったけどな。 一月三日 明日から仕事はじめやし、どないしょう?雪ごっさ積もった。 青峰と花宮引っ張って籠球行くわ。 一月四日 猫探しの伊月がまた来た。 なんかもこもこしとった。 新年の挨拶やーゆうて、上等の珈琲豆くれた。どないしょうこれ。 一月七日 伊月が七草粥持ってきた。 花宮が胃袋掴まれた。どないしたらええん? 一月二八日 赤司が胸糞悪い事件持ち出してきた。ふざけんなあのとっちゃん坊!五芒星には関わらんゆうとるやろ阿呆! 暫く警備の手伝い。終わったら絶対なんぞ料亭で食わせてもらう。 二月二二日 二月に逃げられるー。 三月三一日 伊月が来た。 人手不足と前に零しとたんが聞かれとった。 試しに赤門の試験問題幾つか出した。八割正解や。どないなっとんねんこの子の頭。 四月三日 事務所開いて一年になる。 助手二人態勢で事務が楽や。 月ちゃんもようやっとる。花宮とは籠球で知っとったらしくて悪態漫才しながら働いとる。 えらく惚れ込んでますね、って赤司それはどないな意味や。 五月一日 月ちゃんは死体見ても平然としとった。医学部はメンタル鍛えるんにええんかもしらん。解剖には流石に口抑えたけど、この子凄い。 久々に籠球やった。月ちゃんの眼が興味深い。花宮とは相性最悪やけどな。 六月五日 ねむい。 七月七日 織姫と彦星は会えらんなぁ、ゆうたら、いちゃついてんの見せたくないだけでしょ、って月ちゃんに返された。まあ、ワシも月ちゃんの真っ白な肌は簡単に見せたないけど。 七月一五日 喧嘩した。ワシ悪ない。 ********************** さっきから事務机のほうで花宮が腹抱えて爆笑しょって、月ちゃんは真っ赤な耳元で首まで真っ赤にして机さんとちゅーしとる。ワシの事務所はいつからカオスになったん? 「まじ、まじこれねーわ!伊月ちょっ、一六日日付、見たことないくらいの長文なんだけど!?官能小説かこれ!?」 「うるせっもっ、花宮まじ殺す・・・!!」 「どっから出てきたん?」 あっち、と花宮が指差したんは、事務日誌の保管棚やった。今使うとるのは五冊目になるさかい、日数から考えられるのは三年前のもんやな。 「まこっちゃん、ちょぉ見して?」 「だめですー!!」 「なんで月ちゃんが怒んの?ワシの日誌やけど。」 「なんで!こんな!克明に!!残したんですかああああああ!!!!翔一さんのばかああああああああ!!!!!」 ほんなら七月一六日コース再来で、と笑ってやったら、月ちゃんは顔を真っ赤から真っ青にして、来客用に使うカップらやなんやら置いてあるミニキッチンへ逃げた。 事務所前にたたずむ影に気付いたらしい。ほんま出来た子ぉやん。 「翔一さんも花宮さんも、ばかゆってないでお仕事ですよ!!」 ベッドでのとろっとろのお顔も好きやけど、深呼吸で整えた、その黒い瞳は今日も今日とて美しい。 「どうぞお客さん、今日も元気に今吉探偵事務所、商っとりまっせ。」 |
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なんか突然描きたくなる病。我が家の俊ちゃんは壁を塗るのはスプレーか刷毛かで迷っていますwnovel/1339993とnovel/1340397の番外です。本編は前後篇です。鬼か私w
2012年09月02日 17:31初出。
正直調子に乗った。ら、七月十六日kwskタグをいただいてしまったwww
因みにこれは本編から2年後の話になりますね。(12/25追記。
20121114masai