らぶじぇねごっこ。
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今日、木吉鉄平と相田リコが結婚した。 正しくは、結婚披露宴をした。 日向と伊月は中学時代から新婦の馴染み深い友人として招かれ、高校時代のバスケ部メンツとは殆ど同窓会状態になった、最近では珍しい規模の、まあなんでも新婦側の父親の希望らしいが、アットホームだが派手な披露宴だった。 「綺麗だったねー、相田・・・ってもう、木吉か。いっそカントク呼びに戻しちゃうか。」 三次会まで用意したのは黒子の伝手だった。現役NBA選手が一般人の結婚披露宴にお忍びで、というのも何だか笑えた。 相田リコはカントクの愛称を高校卒業に封印したが、日向と伊月にとってはいつまでの頭の上がらない、母親のようで情深い友人であって仲間であって戦友で、そして素晴らしい女性だった。木吉との付き合いをこっそり教えて貰えたのは彼女がトレーナーの専門学校を卒業して暫く、ようやっと皆が社会人になった頃だった。今日の出来事に咽び泣いたのは言わずとも彼女の父親であるが、祝福だって何倍も凄かった。このまま二人は新婚旅行で羽田だろう。成田離婚なるなよー、と笑ったのは小金井で、羽田離婚とか洒落になりません、と降旗がツッコんだ。 「もしくは木吉夫人?」 「勝ち組っぽいな!価値のある勝ち組キタコレ!」 「きてねーよダアホー。」 「キレが無いぞひゅーが。」 てゆかお前もめっちゃ泣いてたね、なんて伊月がからかうものだから、いつもの調子で後ろ頭を叩かれた。 「いや、最近・・・せっつかれててなー。」 「わかるー。いつまでも学生気分じゃ無いでしょーってね。・・・本気なんだけどなー。」 カミングアウトのタイミングって悩むもんだねぇ、と言うともなしに。 二次会にと近しい友人が用意した場所は洒落た居酒屋だったが、三次会はかの有名なキセキの世代と無冠の五将が勢揃いして、もう何がなんだかの世界でブーケトスを貰った桃井は終始黒子の隣で幸せそうだった。 引き出物のカタログが入った白に金の箔押しの紙袋を下げて、スーツ姿の二人は終電に乗り込んだ。 「まあ、俺は姉貴いるからあれだけど。」 「くそー。対策俺だけか。あ、一駅前で降りろな。」 「ああ、一駅くらい歩かないと酒が飛ばない。」 「お前殆どザルじゃね?」 「赤ワイン駄目だっちゅー。」 「飲んだのかダアホ。」 「景虎さんの勧めじゃ断れないじゃん。」 「あーなる。」 他にも飲ませ回って河原と土田が潰される寸前で日向は止めて回った。高校時代から染み付いての主将根性だ。 電車の中でカタログを捲ってこの食器セットいいね、なんて自宅のキッチンに釣り合うかどうかを想像して凹んで、いつも降りる駅から一駅前で電車を降りる。駅舎から出ると、遠くに湾岸線の高速道路のテールランプがきらきらと流れて、駅前には終電直後とあって人気は少なく、いつも何かしらCMを流している液晶ヴィジョンも真っ暗だ。 「紅茶花伝?」 「いや、リプトン。」 「了解。」 少し歩いた所は巨大な液晶ヴィジョンを囲むように階段がある。秋の夜風が心地よくて、階段にぺたんと座り込んで脚を伸ばす。 「なまってんなー。ひゅーがー、今週末オフだよねー部活ー?」 ストバスでもどこでもいいからバスケしよー、と提案に返事は無かった。 「うん?」 自販機売り切れてたかな、と真っ暗な液晶ヴィジョンを何気なく見ていると、その枠をLEDが鮮やかに彩った。 「え?」 例えば、チャンネル外部にしたテレビの外部接続の電源を切ったような、そんな光がヴィジョンに灯る。 「ああ・・・。」 そう言えば時間指定でメッセージを流せるサービスがあったな、と伊月は他人のプライバシーを頬杖で眺めた。光の奔流で目の奥が焼ける。他にもひといるなぁ、と鷲の目は見渡し、ぼんやりとそのメッセージを見た。 《October 23 HAPPY BIRTHDAY! SHUN!! 「・・・ん?」 なんか凄く見覚えのある名前だぞ、と思って。 from.SEIRIN
Basketball Club…and your… 「おわぁ・・・。」 何とも間抜けな感嘆をしたと思う。 お誕生日おめでとう、俊。これは誠凛高校バスケ部一同と貴方の大切なひとからの言葉です。 伊月の愛する日本語に訳せばこんな所だろうか。いちいち訳すから面倒なんだです、と高校時代の火神の言葉はある意味真理だと思う。結局語学系は楽しむだけで終わっている。 キスの時間だぞ、ダアホ。》 呆然と見続けたヴィジョンは、そのメッセージを流すと消えた。 「・・・。」 「寒い。」 「おいコラ。」 「紅茶遅い。」 「ん。」 「これ、皆が?」 「ラストはアレンジしたがな。」 「当然じゃない。ばかじゃないの。」 「いい加減こっち向けよ。」 「ヤダ。反応ムービーで撮ってたじゃん。悪趣味。キライ。」 「思いの外ざくざく刺さってんだけど。」 「笹が刺さる!キタコレ!」 「さっみ。ほら、リプトンのイエロー。期待通りだろ、誠凛高校の初代お姫様。」 「わああああ忘れてえええ若気の至りいいいいい!」 「楽しかったなぁ文化祭。ほら、いい加減こっち見ねーとキスすんぞ。」 「やだ。」 「ちゅーのがよかったか。」 「・・・ひゅーが、硬派なひゅーがはどこへ帰ったの。」 「その内帰ってくんだろ。それまで俺で我慢しとけ、おら。こっち向かねーとちゅーすんぞ。」 「コート無いんだよ寒いんだよ!コート内はコート無い!キタコレ!」 「来てねーつってんだろダアホ。こっち向かねーと、」 ちゅーすんぞ、と些か苛立った声音は、するりと伊月の口の中に溶けた。 「よし、結婚するか。」 「結婚式に結構錦・・・。」 「・・・?」 「ひゅーがのドレス想像したら腹筋鍛えられるな、これは・・・うん・・・。」 「着ねーよ!?」 着るならお前だ、と高校三年の時の文化祭を引き合いに出されて理不尽な常識を押し付けられて、そんな下らない喧嘩をしながら二人で歩いた道程は、調子に乗ったロン毛は自分で切ったし、気持ちの擦れ違いは二日で解決するような、くるくる回るメリーゴーランドのような煌びやかでも可愛くもない、ただ、安っぽい酒で乾杯をして、そのままシェアという名の同棲しているアパートで翌朝、皺だらけのスーツに二人で頭を抱えるような、ドラマチックな展開なんて転がり込むことのない、それでも相手の誕生日プレゼントは相手の週末のオフを、二人で消化すること。 そんな彼等に幸あれと、動画を見ながら仲間が思ったかどうだか。 ・・・きっと、思ったであろうけれど。 |
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初出:2012年10月19日 19:15
いつまでたっても仲良しなシューターと司令塔でいて下さい。我が家の俊ちゃんと舞ちゃんを生んだ人が「理子と哲平ってラブジェネやんな!」と拳を掲げたのが発端でした・・・!「リコと鉄平だよ・・・!エンドロールしっかり読んでやこのキムタク厨。」「資料に貸した写真集返し。」「にゃああもうちょい貸しとってー!」そんな馬鹿なお話をしながら俊ちゃんの帰りを待っていたら俊ちゃんは普段より15分遅く帰宅し、スタイリッシュに烏賊を釣って帰ってきました。我が家の俊ちゃんは何者だwというわけで10年後もこんなだったらいいなと願望込めたらこんな感じで。周りがホモばっかっていうのも美味しいですけど男同士奇跡的にカップル成立しちゃったっていうのが実は一番萌えます。因みにお誕生日しっかり祝えるか不安なんでその辺もちゃっかり祝わせて下さい。■補足として、この二人は同じ大学の教育学部に進学しました。母校でバスケ部の指導がしたい!と武田先生に二時間ズレくらいに相談して、そうしてくれると嬉しいみたいに言われたらもう!って受験してキャンバスでばったり!もうこれ運命じゃね諦めて俺ら同じ飛行機だけには絶対乗らないでおこうな!が鉄則ですwwwこの物語時点でそれぞれ誠凛高校バスケ部顧問(指導・監督)副顧問(副監督・会計)で日本史と数学の教師です。で、私立高校の教師って確か公務員じゃなくてサラリーマンじゃね?と思ったので本文一部修正です。すいません。■素敵タグありがとうございます!!・・・ある意味キムタク厨のお蔭ですw
ある意味す全ての始まりだったw
20141012masai